関西の中学受験は1月中旬に一斉解禁し、およそ5日間の間にほぼすべての私立中学校の入試が終了します。そして新学年のカリキュラムは2月からスタートします。中学受験に通う生徒さんは新学年となって、ちょうど1ヶ月が過ぎたあたりでしょうか。
新学年の授業は順調にこなせていますでしょうか?
中学受験塾の新学年は学校とは一味もふた味も違います。今回は中学受験塾の新学年における注意点と対応策を述べて生きていと思います。
新学年になったときの変化
授業内容の変化
中学受験は学年が変わると学習内容がガラッと変わり、難易度もグッと上がります。小学4年では算数なら四則演算から簡単な図形といくつかの特殊算など、この先の土台となる計算や図形の基本をトレーニングしてきました。
小学5年生になると、そこから図形問題はより複雑になり、立体図形にも入ります。また、速さや割合・比など、これまでのようにがむしゃらに練習すればなんとかなったものばかりでなく、概念を理解しないといけなくなってきます。
小学6年生になると更に複雑になった図形問題や文章問題、数論のような問題にも当たります。
これまで、暗記や反復作業でなんとかなっていたことが、学年が進むにつれて内容が高度になり対応しきれなります。
学習量が増加
中学受験塾の学習量は1年を通じて、徐々に増加していくものではありません。学年が変わると途端に一気に負担が増加します。特に小4から小5のカリキュラムに移行すると約1.5倍になると言われます。
新しい先生の指導
新学年になると、先生が変わる塾も少なくありません。これまでの先生と説明の仕方や授業の雰囲気が変わると、子どもによっては慣れるまでに時間がかかってしまうことがあります。
テスト・模試の増加
新学年になると、前の年よりもテストや模試を受ける回数が増加します。それによって、それらの成績は当然クラス替えにも影響しますので、それによるプレッシャーも大きくなり、また教室の雰囲気も徐々に真剣味が増していきますので、雰囲気に飲まれないようにしないといけません。
新学年になったときに注意すべきこと
これまでと同じ学習量では通用しない
新学年になった時に注意すべきなのは、とくに新小5のご家庭はこれまでと同じようには行かないということです。これまで、すでに十分な学習時間を確保し、宿題を余裕を持ってこなせていたご家庭は良いですが、普通はなかなかうまく回りません。
学習のペースが早くなり、宿題の量も格段に増えているので、学年が変わるとそれに合わせて、学習のやり方も変えていかなければいけません。
特に学習時間の確保は重要です。もし、新学年になってからうまく言っていないなと感じている方がいらっしゃるなら、そのときは一度これまでの学習のスタイルを見直してみるタイミングです。
一つ一つ、理解して演習に取り組めているか
学年が進むほど、覚えるべきテクニックが増えますが、それぞれのやり方をしっかりと納得してから使えているかは、のちのち大きな差を生みます。
その場の宿題を終わらせるためだけに、パターン暗記でこなしてしまっていませんか。そうならないように、宿題をこなさせる場合は時には内容に関して質問をして答えさせながら進めていくと良いです。
今からでも心構えを持って、新学年に臨んでいきましょう
結局のところ、小4、小5の生徒にとってまず重要なことは上のクラスに上がる、または上のクラスを維持することでしょう。塾はクラスによって教材が変わりますので、志望校に合格するためには、そのためのカリキュラムを実践しているクラスに入っていることが大前提です。
クラス替えの基準であるテストや模試で点数を取るために必要なことは、理解と演習です。中学受験塾では授業で理解し、宿題で演習を行います。一度、その循環が滞ってしまうと、後ろの内容まで次々と取り残されてしまうことになります。
これが成績低迷の最大の原因です。そしてそれは学年が変わるタイミングにもっとも起こりやすいです。
これに備えるには、事前に次の学年がどういうものか知っておき準備をしておくことです。準備というのは先取り学習をするということではなく、どれくらいの学習時間を追加で確保できるか、子どもが理解できなくなった時、どのように対処するのか(塾の個別 or 家庭教師)など、あらゆる想定をしておくことです。
もし、それらが不十分で今つまりかけている場合、まだ始まって1ヶ月です。今一度学習のスタイルを見直し、軌道修正を考えてみてください。
それでも学習サイクルに問題が生じてしまった方については、一度ご相談いただけたらと思います。