大学入試センターより、2023年度の共通テストの志願者数が発表されました。
それによると、2023年度の共通テストの志願者数は51万2581人であり、昨年の53万367人から約1.8万人の減少となりました。
共通テストの志願者数は、少子化でありながらも大学全入時代と言われ、2018年の58万2671人に至るまで堅調に推移しましたが、それ以降ここ数年間は急激に減少しました。
背景には少子化と価値観の変化
共通テストの志願者数の減少の背景には当然少子化がありますが、ここ数年の急激な減少の理由は主に現役生、受験生の価値観の変化にあります。
近年は就職活動においても学歴よりもその人の経験や人柄を重視する傾向が強くなっています。また、インターネットの時代となり、新たな職種が多数登場したことで学歴の比重は下がりつつあります。
かつては、1浪や2浪をしてでも旧帝大や国公立大学を目指す学生が多くいましたが、現在は現役受験で失敗すれば、浪人をせず滑り止めの私立大へ進学する学生が増えてきています。
上のグラフでも分かる通り、共通テストの受験生に占める現役生の占有率はここ5年間で約5%上昇しています。
一方で、医学部における浪人比率は依然高く、2浪以上も高い比率で存在します。医学部は河合塾の全統模試の偏差値で約65(京大工学部レベル)を求められるほど難関で、医学部受験者数は近年は下げ止まっています。つまり、浪人生における医学部受験生の割合が高くなってきていると言えます。