夏休みもそろそろ折り返し、後半になろうとしています。今年度の目標は適切にこなせていますか?学習は積み重ねなので、入試が近づいてから焦ってもなかなか追いつかないものです。遅れがあったり、弱点があったりする方は今のうちから計画的にこなしていきましょう。
そのためにもこの夏、自分自身が何をすべきなのか今一度確認をしてみるこが大切です。
受験生の方
受験生の方にある程度の目安を示しておきます。
まず国公立大学志望の方は、数学は河合塾から毎年発売される『大学入試攻略 数学問題集』という本がありますので、それを仕上げるようにしましょう。ここで数Ⅲ微積分が解けていれば合格はかなり見えてきます。逆にそこがなかなか解けない方は相当がんばってください。
化学に関しては、まずは重要問題集を仕上げましょう。特に理論と有機。そして、駿台の夏期講習の「化学特講」にある自習問題が非常によくできていますので、次にこれにあたっていくといいでしょう。
物理に関しては、こちらもまずは重要問題集をしっかり解き切っていきましょう。そして次に『標準問題精講』に取り組んでいってください。名前は標準とありますが、なかなか手強い問題集ですので、気合を入れてやっていかないといけません。完璧にするにはニュートンプレスの難系もいいですが、問題数が多いので気をつけてください。
次に私立大学志望の方に関して、数学はまず青チャートをきっちりと仕上げることが重要です。医学部はその難易度からよく誤解されますが、入試問題自体が難問だらけというわけではありません。受験生のレベルが高いので最難関とはなりますが、問題自体は実は意外と基本的なものが多いです。ですから、青チャートを完璧にこなせるようになっているだけで実はかなりの部分が解けてきます。
そして、化学・物理に関してはともに重要問題集をきっちり仕上げるようにしましょう。
推薦入試・防衛医科大学入試
また推薦入試に関しては、11月から出願が始まりますが、学校への申し出は締切が出始めてきています。推薦入試を受けられる方は、決して9月にはならないようすぐにでも担任の先生にその意向を伝えてください。
防衛医科大学について、こちらは出願が7月から開始されています。出願締切は10月11日で、1次試験は10月21日になります。受験を考えられている方はそろそろ準備に取りかかってください。赤本も先行発売されています。国公立大志望の方はよい腕試しの機会として、受験するのがセオリーとなっています。受験料も無料ですので、考慮に入れておかれるといいと思います。
高2生の方
高2生は、ギアは入ってきていますか? 高2の夏は一般学部志望の方も入試対策をはじめる時期です。医学部志望ではなおさらです。現役合格できるかどうかの大きな分かれ目になってきます。日程的にも、医学部の入試は10月の防衛医大1次試験 、11月の推薦入試からスタートします。夏休みを終えると自身の受験までほぼあと1年という意識を持っていってください。
高2生の今年度の目標は、3月までに高校のすべての学習範囲をきっちり終えることです。やり残しや弱点がまだ残っている方は、夏休みはまとまった時間をもって対処できるラストチャンスです。現状の課題を明確にして充実した夏休みを過ごして下さい。
また、この時間をいかして今のうちに今年度末に学習する範囲の先取りしておきましょう。計画というのは往々にして崩れてしまうものです。今のうちから余裕を持って進めておくことが現役合格の秘訣です。
高1以下の方
高1以下の方は、まずは国語・英語をきっちり積み上げて行って下さい。特に語学系は分量をこなすことが重要です。高2になってからいきなりあげようと思ってもなかなか思うように伸びません。今うちに積み重ねておくことが重要です。
国語に関しても、国公立志望の方は特に意識をしておいて下さい。共通テストになってから国語科目だけでなく、理系の科目でもより国語力の重要度が増してきています。
長文問題から必要な情報を読み取って、自身の持っている知識と組み合わせて答えを導くといった形式の問題に重点がおかれ、国語力の低い受験生は理系科目が得意であっても軒並み点数を落とし、国公立を諦めざるを得なくなっています。国公立を目指す方は今からしっかりと活字を読み(インプット)、自分で長い文章を書く(アウトプット)をする練習を行っておきましょう。何日に1回などノルマを決めて、定期的に文章の要約などを行うと効果的です。
最後に
夏休みももう後半になります。医学部受験の成功の秘訣はとにかく、先取りで学習をすることです。夏休みはそうした学習の計画を見直し、調整を行う最高のタイミングです。きっちりと現状認識と対策を行って下さい。
繰り返しですが、医学部受験は浪人率が高いので、現役の医学部受験生のライバルは1年2年上の先輩です。そのことをしっかりと頭に入れて、校内や友人との間の比較ではなく、先輩たちとの比較の中で自身の学習を考えていきましょう。