4月からの前期の授業も大詰めとなり、まもなく期末試験が始まる頃かと思います。今年もコロナによって、兵庫・大阪・京都では4月25日から6月20日まで緊急事態宣言が発令され、学校は休校とはならなかったものの、中学生、高校生の学習には少なからずその影響はあったものと推測されます。
さて、期末試験を乗り切れば夏休みが見えてくるわけですが、受験生にとっては当然大事な時期ですが、高校2年生以下の学年の生徒にとってもまとまった時間を取ってこれまで学習してきたことを見直すことのできる良い機会となります。
非受験生は部活や友人との交友も必要なものですが、高3でしっかり医学部や志望校に合格できるために、メリハリをつけて学習も怠らないようにしていただきたいです。受験生はいうまでもなく、必死に学習していただきたいですが、この夏休みを目的を持って戦略的に学習することでより効果の高いものにしていただきたいと思います。
それでは、中学生から見ていきましょう。
小学校4, 5年生
計算力、読解力といった基礎学力をしっかりと身に着けてください。また、これまでに学習で理解が怪しいところがないか全範囲を確認して、弱点補強を行うことが大切です。塾のクラスを上のクラスへ上がれるように、他の生徒と差を付けやすい夏休み期間を有効に活用していただきたいです。
小学校6年生
受験はもう間近です。夏休みがまとまった学習時間のとれる最後の機会となり、天王山となります。この学習の仕上がり次第で、受験できる学校のレベルが大枠で決まってしまいますので、少しでもレベルの高い学校を目指せるように、学習を継続してください。ここまでくれば、テストしっかりと点数が取れることに重点を置いていおかなければいけないので、過去問のパターンや解答のテクニックなども意識した学習が必要となります。
中学1年生
中学1年生はまだ3ヶ月しか授業をしていないといえど、甘く見ることなく、しっかりと前期で学習した基礎内容を見返してほしいと思います。
中高一貫校入学から、前期も終わりに差し掛かり学校にも慣れてきた頃でしょう。学習面では、中学学習内容は高校学習内容の導入のような位置づけと言えます。しかし、中高一貫校では中学内容を2年間で終了するため、非常に速いペースで進んでいき、しかも、多くの学校では中学内容に加え、高校の学習内容にまで足を突っ込んで、教えるので生徒が混乱してしまうことがよく見られます。
高校範囲の難しい分野はあまり気にせず、押さえるべき所をしっかり押さえた学習を心がけてください。
特に、数学では中学受験で培った算数でなんとか乗り切ろうとする生徒が多数いますが、この調子だと必ず行き詰まってしまいます。中学の数学は小学校算数の延長線ではなく、しっかりと数学的な考え方を習得することを意識して、学習していくよう周りからサポートしていくことが大切です。
この夏のまとまった時間のある間に、以上のことを身に付けていってください。
中学2年生
中2の学習で非常に重要なことは、数学の幾何分野をしっかりと学習しておくことです。中高一貫校では幾何の分野は中学生で学習した後、高校で詳しく学習することはありません。ですので、幾何分野は中学で学習した内容が大学受験に直結するする数少ない分野です。アイディアを要求される分野でもあり、ある程度まとまった時間をとってじっくりと問題にあたっていくことが大事になります。この夏休み期間にとことん取り組んでいってもらいたいと思います。
中学3年〜高校1年生
中3からは高校学習範囲に入ってきますので、どの学習も大学受験に直結してきます。各分野の基礎をしっかりと押さえることが大事になってきます。この時期の積み重ねがものを言います。一方で、中高一貫校では中だるみを起こしやすい時期でもありますので、注意が必要です。ここでサボりすぎると現役合格が厳しくなってきます。部活や友人との交友も大事ですが、メリハリを付けて学習も最低限おさえるようにしてください。とくにリズムの付けづらい夏休みはある程度学習をルーティンにして取り組んでいってください。
学習する上で、意識していただきたいことは、弱点を作らないことです。ここが医学部と他の理工系学部との大きな違いになります。学校でもたくさんの宿題が課されると思いますので、それを能動的に捉えて、しっかりこなしていくとともに、未知の分野についても積極的に学び取っていく意識が必要です。
高校2年生
この時期は一般学部志望の生徒でも、受験勉強を始める時期です。当然、受験をしっかりと意識した学習を行っていってください。
模試について、高2の段階でどれだけ実際のライバルと差があるのかを知るために1年上の高3・高卒生用の模試にもチャレンジして見てください。難しい問題で苦戦すると思いますが、とことんチャレンジすることが大事です。多少の細かいミスや記述はそれほど気にする必要はありません。
理科については高2の段階で一通り終わらせておくことが必要です。学校や塾の進度上、高2までで終わりきらない分野が予想される場合はこの時期の間に前倒しして学習していくことが必要となります。同学年ではなく、1年2年上の学年の生徒がライバルとなることを常に意識するようにしてください。高3までに理科が終わらないようでは現役合格は到底望めませんので、心して学習してください。
高校3年生
すべての範囲の総復習を行って、基礎をしっかりと確認してください。まずはこれが最も大切です。特に高3は昨年のコロナによる休校の影響を引きずっているので、基礎が非常に弱いと想定してください。昨年の高3生が大苦戦したことを念頭に置き、そうならないようにストイックに学習していってください。
夏の河合塾のマーク模試から、受験校選びのために点数を見ていくので国公立志望の生徒は社会科目も学習していってください。9月に共通テスト願書の配布から、10月末に防衛医科大の入試、11月に推薦入試と入試の前哨戦が始まります。
考えているより時間が少ないです。浮足立つ必要はないですが、すべきことをきっちりと積み上げてください。かなりのハードワークになるはずです。この壁を乗り越えて初めて、現役合格が見えてくるのだとしっかりと自覚しておいてください。
夏のうちに、今年の入試問題集が発売されると思いますので、これらを活用して、今の自分の実力がどの程度かをしっかりと把握しておいてください。入試当日の緊張感を考えると、この時期に落ち着いて解けていないと本番は厳しいことが予想されますので、今のうちにしっかりと自分の得意不得意を理解し、すべき対策を堅実にこなしていってください。
高卒生
予備校に通っている生徒は、前期で学習した内容を夏休みの前半にしっかりと復習しておくことが大事です。予備校の学習は高校3年間の学習を前期2ヶ月ちょっとで駆け抜けます。もともと無理のあるカリキュラムで進行していますので、夏休みの前半を使ってしっかりと復習をすることが大事です。
模試では、前期はある程度良い成績が出たと思いますが、ここから現役生が怒涛のように追い上げてきますので、決して甘く見ることのないよう、気を引き締めて学習をしていってください。厳しいようですが、昨年は学習が甘かったために合格できなかったわけですから、今年こそはこれ以上ないと言うほど全力を出しきって学習に取り組んでください。同じように甘さを見せると今年も足をすくわれかねません。
その後の学習は高3生と同様に9月のマーク模試を意識しつつ、限られた時間で最大の効果を出せるよう、戦略的に学習に取り組んでいってください。