4月25日からの緊急事態宣言の発令が発表されました。学校・予備校では新年度が開始され生徒達は着々と授業が進んでいたところ、出鼻をくじかれる形となっています。
受験日程については、昨年度の状況から見ても変更はほとんど行われないと考えておきましょう。したがって、受験生はどんな状況下でも粛々と受験勉強に取り組んでください。
今回は受験生の夏までの学習戦略を科目別にお伝えしたいと思います。
まずは本題の前に入試スケジュールを大きく眺めてみてください。
4月 | 新年度開始 |
5月30日 | 第一回駿台全国模試 |
7月下旬 | 前期授業終了 ー 夏期講習開始 |
8月 | 第一回大学別模試(駿台・河合) |
11月 | 第二回大学別模試(駿台・河合) |
1月15日・16日 | 大学共通テスト |
1月下旬〜 | 私立医学部入試 |
2月25日 | 国公立二次試験 |
大学受験においてはよく「夏が天王山」なんていう言い方をしますが、上のスケジュールを見ていただけるとその意味が理解できると思います。8月になると第一回の大学別模試が設定されているなど、ここが学習の転換点になるからです。
受験期の学習は年間通して同じように学習するわけではありません。時期に応じて、目的を変えて学習を行っていきます。こと夏段階までの目標は基礎力の最終確認です。これ以降、各科目の高度な演習問題や大学別過去問など応用演習をひたすら積んでいく作業になります。それまでに、弱点分野を克服し基礎力を盤石な状態にしておかなければなりません。例えば数学であれば、公式の根本原理や使い方、適用範囲など各単元で完全に理解しておく必要があります。その上で、秋以降に実践的な演習問題を繰り返すことで、解法も適切に理解することができます。
夏を天王山と呼べるのは夏までに基礎をしっかり固められている生徒だけです。夏段階で基礎がグダグダの生徒は天王山を取るどころか麓にもたどり着けません。そうならないために、数ヶ月でもしっかりと全体を見据え、計画を立て学習を進めていってください。
英語
まずは今まで習ったことの総復習を行います。使ってきたテキストや受けた模試などを徹底的に見直しましょう。次に大前提、文法の再確認です。弱点部分を洗い出し、徹底的に補強してください。これが大切です。また、単語については初級から中級程度のものを覚えていくようにします。
数学
チャート式、フォーカスゴールドなどの基礎問題集をしっかりと初めから解き直しましょう。重要なのはしっかりとすべての問題に当たることです。浪人生や優秀な現役生も簡単だと思って飛ばして手を抜いてはいけません。ここで目的は抜け漏れがないかの確認です。やってみると以外にもわからない問題が遭遇するものです。夏以降こんなことをしている余裕はありません。今のうちに基本手法が自由自在に使えるようにしっかり訓練しておきましょう。
物理
セミナー物理、リードαなどの基礎問題集で、力学から波動、電気(直流まで)を中心に原理・基礎からしっかり押さえます。微積分の概念を用いていきましょう。特に力学はバリエーションが多いので、演習を十分おこない、運動方程式で解く場面、保存則を使う場面等の切り分けを見極めるようにしましょう。波動では図での処理だけでなく。計算でも解けるようにしておきましょう。電気では場のイメージをしっかりとおさえたうえで問題にあたるようにしてください。
化学
セミナー化学や重要問題集などを使用し、理論分野を平衡の手前までの範囲で学習していきます。また、有機化学もエステルくらいまでは進めてしまいます。化学は英語に似たところがあって積み重ねが大切ですので、一問一問着実に理解していきましょう。
生物
植生・環境などは、大学によっては出題されるところ・されないところがあるので、自分の志望校の過去問をよくチェックして、必要なさそうならば飛ばしてしまってもかまいません。逆に出題されるような大学を受験する場合は、他の受験生との差をつけるチャンスなので、しっかりと勉強しておきましょう。