大学入試、特にセンター試験の数学や理科の問題において、誘導形式の問題に対するアプローチをどのようにすれば上手く行くのかということについての質問を、センター試験前のこの時期によく受けます。
そうした質問に対して、いつもどのように答えているかといいますと、「表面的なテクニックや慣れで対応出来る場合も多少あるが、根本的には問題全体の本質を見極めることが出来る本物の基礎学力を備えていれば、自然に出題者の意図や解法の方向性が分かるはずだけどね」と敢えて伝えています。
このことを聞いて、誘導形式問題に対応する方法はテクニックでなく実力だと直ぐに納得して、自己の実力不足を認識した上でさらなる実力アップを目指す受験生であれば、センター試験直前の短期間でも着実に努力を重ねることで誘導形式問題への対応を含めて、得点力をアップすることが十分に可能です。
この答えを聞いても、誘導形式問題へ対応する方法はテクニック上のことだという考え方から脱却出来ない受験生は、得てして着実な努力を怠り得点力を伸ばせないまま最終的に入試本番を迎えることになります。
何もテクニックや要領の良さを否定しているわけではありません。それどころか、本物の基礎学力を備えている受験生は、その結果として、解法する上で必要なテクニックや要領の良さを自然に身に付けているものと思われます。
ですから、誘導形式問題に対応するためには、テクニックや要領の良さを意識することよりも、問題の本質を見極める実力を敢えて身に付けてもらいたいと思っています。
最後になりますが、「実力」には「テクニック」や「要領の良さ」がもれなく付いてきますが、「テクニック」や「要領の良さ」には「実力」が付いてくることはありませんので、ご注意下さい。