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大学入試新制度の実施延期の影響について

昨年11月から12月にかけて、英語民間試験の導入や国語・数学の記述式問題の導入が相次いで延期されましたので、来年度以降2024年入試まで基本的に現行のセンター試験が継続して実施されることになりました。

この入試改革が延期されるまでの傾向は、特に現役の受験生が浪人して来年度からの新制度入試で受験するのを避けて安全志向の出願にシフトしている為に、国公立の難関校や医学部医学科の志願倍率が相対的に低下するのではないかということでした。こうした受験動向は、今から約40年前に現行のセンター試験の前身である共通一次試験が導入される前年にも見られました。

ところが新制度入試が延期されて現行のセンター試験が継続されることになったので、受験生のこうした安全志向の出願傾向が一気に強気な出願傾向に様変わりする可能性が出て来ています。その結果として、国公立の難関大学や医学部医学科の出願倍率が例年並みに上昇してくる可能性が高くなると思われます。ですから、こうした国公立の難関大学や医学部医学科を志望する受験生の方はこれまで受けた様々な模試データの志願倍率だけで判断するのではなく、昨年度までの入試本番の出願傾向や志願倍率を十分に配慮した上で、志望大学学部の絞り込みを行うことが大事です。

私立大学の方は出願期間になっていますが、こちらの方も国公立ほどではありませんが、新制度入試の導入延期の影響を受ける可能性がありますので、特に難関大学への出願は慎重に行う方が良いと思われます。

国公立大学の出願はセンター試験後の2月になりますので、センター試験結果の大手予備校の発表するボーダーラインや具体的な大学学部別の出願動向等を十分に見極めて出願することが大事だと思われます。

こうした入試制度改革は本来もっと受験生や大学高校等の入試現場の実情をよく把握している者の意見を反映するべきものなのですが、今回の新制度入試改革は一部の利害関係者や政治家の判断だけで拙速に決定されました。改革の当事者は受験生や入試現場にこうした混乱を招いていることに対して是非とも責任を感じてもらいたいものです。

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